腰椎椎間板ヘルニアになるリスク・・普段の生活のなかで、何をすれば、何がヘルニアを起こしやすいのか?いろいろな原因がいわれています。これまでにあった研究、論文から、椎間板ヘルニアを発症しやすい生活の要因について発信します。
腰椎椎間板ヘルニアが発生しやすい職業について調べた研究では、重労働についている労働者(体に負担のかかる肉体労働)のほうが、そうでない仕事についている方(事務職やサービス業)に比べて、発生する確率が高いということがわかっています。
特に、男性で、トラックの運転手やバスの運転手などのドライバー、金属・機械業についている労働者は、デスクワークについている労働者に比べて「約3倍」リスクが高いといわれています。
腰椎椎間板ヘルニアの患者さん287人と健康な方とを比べた研究では、膝を伸ばしたままで背中を曲げる、いわゆる「中腰の状態」で10kg以上の物を持ち上げたり、子供をしょっちゅう持ち上げて抱っこする動きでヘルニアが発生しやすいという結果でした。そして、持ち上げる時に「腰をひねる」ような動きも危険とされています。
車の運転は腰椎椎間板ヘルニアの発生リスクがあります。特に、足を前に投げ出して運転する(リクライニングの姿勢)時や、長時間の運転でリスクがあります。
ただし、それらの重労働や運転と腰椎椎間板ヘルニアの因果関係はないという研究結果もあります。
タバコと腰椎椎間板ヘルニアの関係についても研究があります。タバコを吸うことが直接ヘルニアを引き起こすかどうかは、確実なところ不明ではあります。でも22組の双子の兄弟が参加した研究では、つまり片方の双子はタバコを吸って、もう片方の双子はタバコを吸わない兄弟についての研究結果があります。その結果、タバコを吸う方の椎間板は吸わない方の椎間板と比べて18%も老化が進んでいました。
別の研究では、「一日に10本のタバコを吸うと約20%もヘルニアのリスクが上がってしまう」というものもあります。
最後に、スポーツと腰椎椎間板ヘルニアとの関係ですが・・・
一般的に競技されている主なスポーツ、野球、ソフトボール、ゴルフ、水泳、ダイビング、エアロビクス、ラケットスポーツなどなど・・それぞれのスポーツをやっているヘルニア患者さん287人と、健康な方を比べてみたところ、あまり発生に違いはありませんでした。
また他の研究では、レスリング、体操、サッカー、テニスでのトップアスリート134人を研究したところ、こちらもスポーツをやっているかどうかと椎間板ヘルニアの発生には関係がありませんでした。
最後に、ハンドボールを2,500日以上やっている選手やトライアスロンを10年以上やっている40歳以上の選手と、スポーツはしていないけれど椎間板ヘルニアでもない方とをくらべたところ、検査画像上での変化に全くかわりはなかったという結果です。
結論・・・スポーツをやることで、腰椎椎間板ヘルニアが起こりやすいわけでもなく、また、スポーツが腰椎椎間板ヘルニアを起こさせないわけでもないということがわかっています。
スポーツとヘルニアは関係ありません。
他の要因が関係しているのですね。
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