前回では、腰椎椎間板ヘルニアの診断には、足のどこが痛むのかといった病歴が重要だと発信しました。
ただし、ちょっと注意が必要なヘルニアもあります。
②上位腰椎椎間板ヘルニア;腰椎椎間板ヘルニアがよく発生するレベルは、一般的には下の方の腰椎です。第4腰椎と第5腰椎の間か、第5腰椎と第1仙椎の間がもっともよくヘルニアが発生します。
でも、上の方の腰椎でもヘルニアは起こります。つまり、第1腰椎と第2腰椎のあいだ、第2腰椎と第3腰椎のあいだ、第3腰椎と第4腰椎のあいだです。
この場合、足の痛む場所にはちょっとした違いがあり、要注意です。
上の方の椎間板ヘルニア患者さん141人の症状、特に痛みの場所を調べた研究では、約半分の患者さんが、鼠径部(足のつけね、股関節部)とか、大腿部(太ももの前や内側)に痛みがありました。でも、膝より下にも痛みが出ていた患者さんもいました。
もっと多い患者さんでの研究結果では、393人の手術治療を行った患者さんで、手術前の状態をカルテからしらべたところ、上の方のヘルニアでは、足の痛む場所はほんとにまちまちで、ヘルニアの場所と痛みの場所の関係については信頼できないと結論しています。
椎間板ヘルニアの診断は、やっぱり総合力なんですね。
この記事へのコメントはありません。