単純X線写真
レントゲン写真で、腰椎椎間板ヘルニアを示すことは不可能です。
椎間板が年をとって老化することをレントゲンで推測することはできます。100人の患者さんにレントゲン検査と腰椎MRI検査を行って、調べたところ椎間板の高さや椎間板に接する背骨が硬くなっていることはわかりましたが、椎間板ヘルニアの診断には全く無効でした。
じゃあ、腰椎レントゲン検査は何のために行うのでしょうか。
我々は、腰痛や坐骨神経痛、足の痛みを訴えて外来を受診される患者さんにとって、「腰椎椎間板ヘルニアの診断を行うことと同じくらい最も重要なことは、悪性腫瘍や骨折などの危険な病気を見逃さないこと」なのです。
もちろん、レントゲン検査だけで悪性腫瘍や骨折などが絶対診断できるとは言えません。それでも、他の検査とあわせてレントゲンをとることで、怖い病気の見逃しを避ける可能性が高くなるのです。
また、痛みがあると、患者さんは何とか痛くない姿勢をとろうとします。腰を横にまげて、痛くない姿勢をとることがあります。これを「坐骨神経性側弯」といいます。これはレントゲン検査でよくわかります。
坐骨神経性側弯の患者さん40人を調べたところ、80%の確率で体を曲げた反対方向に椎間板ヘルニアがありました。左右のどちらにヘルニアがあるのかはわかるみたいです。
でも、それだけなんです・・・
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