ヘルニアは遺伝するのか?
今日の外来に、40歳代の患者さんと70歳代のお母さんが受診されました。
実は、70歳代のお母さんは、以前に大津脊椎脊髄センターで腰椎椎間板ヘルニアの手術を行って良くなった患者さんなのです。
お母さんの椎間板ヘルニアは第5腰椎と第1仙椎の間で左側でした。自宅の庭で草引きをしていて腰痛が出現し、翌日に左下肢の裏側に激痛が走りました。約3ヶ月くらい痛みどめで頑張りましたが、痛みが引かないため手術治療を行いました。もちろん手術直後から痛みは全く消えてなくなりました。
本日は、よくなった経験からか、息子さんが同じような痛みを出したので連れてこられました。息子さんはタクシーの運転手さんで、足の悪いお客さんの乗り降りを手伝っていたときにお客さんが転びそうになって、身を挺して抱きかかえたらしいです。とてもいい話ですが、医療従事者としては「ああーっ、絶対してほしくない動き!」でした。
そして診察と検査の結果、何と!
第5腰椎と第1仙椎の間で左側に椎間板ヘルニアがありました。全くお母さんと同じ場所でヘルニアが飛び出していて、全くお母さんと同じ左足の裏側に激痛があったのです。
腰椎椎間板ヘルニアは遺伝するのか?どうなんでしょうか?
21歳以下の腰椎椎間板ヘルニアの患者さん63人とヘルニアでない健康な方を比べた結果、患者さんには32%にご家族にヘルニアの患者さんがいて、健康な方には7%しかヘルニアはいなかったらしいです。つまり、ヘルニアの患者さんは約5倍くらい遺伝する可能性があるという結果でした。
ポイントは、21歳以下の患者さんということです。若年性の腰椎椎間板ヘルニアの患者さんでは、ある程度の遺伝的な要素が理と考えて良さそうです。
若い時に椎間板ヘルニアになった患者さんは、家族に同じヘルニアが起こるかもしれないという結果です。
今回は、ヘルニアの遺伝について発信しましたが、まだ、遺伝についての研究結果があります。
それは次回に発信します。
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