薬物治療1
骨粗鬆症治療の主役は、やはり薬物療法となります。
ただし、骨粗鬆症に対して薬を使うことは、例えば、高血圧に対して降圧剤を内服するとか、糖尿病に対して経口血糖降下剤を内服することとくらべても、患者さんは、それほど重要なこととは考えない場合が多いのです。
骨粗鬆症の薬を続けている患者さんの数は、内服開始からたった1年で45%が脱落します。5年になると52%が薬をのむことをやめてしまいます。
血圧、痛み、血糖などは、お薬を使えばすぐに良くなります。
ところが、骨粗鬆症の薬は、目に見えるかたちですぐに良くなるというものではなく、数か月から半年の間、粘り強く継続して、骨密度を測定して初めて良くなった、そして薬が効いているんだとわかるようになるため、続かないんですね。
御高齢の患者さんになると、他にもたくさん薬をのんでいらっしゃる方多いです。ほかの薬と、骨粗鬆症のくすりを比べたら、他の薬を優先して、骨粗鬆症の薬は放っておくようになってしまうのです。
薬剤それぞれに、胃腸障害などの副反応がでることがあります。そして、骨粗鬆症の治療に対する無理解、費用が高い、薬物の効果への不信感などが、お薬をのむことを止めてしまう原因となります。
我々、医療関係者は、患者さんに骨粗鬆症の薬物治療の大切さを丁寧に説明し、応援し、継続していただくように努めなければいけません。
なぜなら、骨粗鬆症治療を行うことによって、骨粗鬆症性骨折を劇的に少なくすることができるのですから・・
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