腰痛とは、病気の名前ではなく、「症状」を表す言葉です。本ブログでは、これから腰痛に関して、最新の知見や有用な文献などを発信していきたいと思います。
本ブログ内容は、「腰痛診療ガイドライン2019」その他からの情報を改変して引用もしています。興味のある方は、原本へもアクセスをお願いします。
さて、腰痛が表す意味ですが、「体の後ろ面にある、1日以上続く痛みで、足の症状(痛み、しびれなど)を伴う場合と伴わない場合がある痛み」と言えます。
痛みの続く期間によって、4週間未満を急性腰痛、3か月未満を亜急性腰痛、3か月以上続く痛みを慢性腰痛といいます。
原因は、重大な疾患(悪性腫瘍、感染症、骨折)がもとにある腰痛、足の症状を伴う疾患、背骨の加齢現症などがあります。
絶対、見逃してはならない腰痛は、悪性腫瘍や感染症、骨折が原因である場合です。
でも、これは、一般の方が自分で診断をすることは困難です。
ですので、普段、数日の安静で良くなる腰痛は経過観察してもよいと思われますが、普段とちがって、長く続く腰痛の場合は、躊躇せず病院で診察を受けるべきといえます。
我々、大津脊椎脊髄センターでも受診される患者さんの約半数は腰痛が主訴の方ばかりです。
この図は、国民生活基礎調査からの資料です。病気やケガなどで世帯の中に何かの症状をもっている人の割合を1,000人あたりで表したものです。65歳以上では、およそ2人に1人が自覚症状を持っています。
ここで注目したいのは、その自覚症状の内容です。腰痛が、男性では第1位、女性でも第2位となっています。また、肩こりも含めると、男女ともに第1位と第2位を占めます。その腰痛や肩こりは、原因が脊椎、背骨にあることが多いのが現状です。
この数字から、腰痛は肩こりも含めて「国民病」「国民症状」といっていいと思います。
病院では、神経診察や画像検査で、腰痛のおおよその原因をつかむことができます。大事なことは、腰痛の中には、先ほどの重大な疾患がかくれている場合がありますので、まずは、かかりつけの先生や病院を受診することです。
それでは、これから、腰痛について発信してゆきたいと思います。こうご期待!!
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