脊柱が原因の腰痛1
腰痛は、腰椎から脳まで、さまざまなところから生じます。
先のブログでも発信しましたが、腰痛の重要な見逃してはいけない原因に腫瘍、感染、骨折があります。内臓疾患(泌尿器、婦人科、心臓血管外科などに関係する疾患)が原因となる腰痛もあります。
これらの疾患が原因の場合、腰痛がどこの場所にあり何が原因なのかはっきりしています。そして、CTやMRIなどの画像検査で簡単に診断がつきます。
原因がよくわからない腰痛は、脊柱から生じる腰痛です。
話は変わりますが、膝や肩、股関節などは「単関節」です。だから、関節のなかのどの場所が痛みの原因なのかつきとめ易いのです。
ところが、脊柱って、とても多くの関節が組み合わさってできている「多関節体」なのです。つまり、どの場所が痛みの原因なのか、なかなか診断がつきません。
また、脊柱には、椎間板、椎間関節、筋肉、筋膜、神経、靭帯など様々な要素でできています。そして、そのどれもが痛みを発生することがあるのです。
これまでは、全ての腰痛でその85%は、診断方法や治療方法がはっきりしていない「非特異的腰痛」として扱われてきました。
最近では、腰痛の原因は、椎間関節が22%、筋肉や筋膜が18%、椎間板が13%、狭窄症が11%、椎間板ヘルニアが7%、仙腸関節が6%であるという研究もあります。
でも、まだみんなが納得できるものはありません。これからさまざまな分野での研究結果が積み重なって、腰痛の診断と治療が少しずつ解明されていくことを期待したいと思います。
我々、大津脊椎脊髄センターでは、そんな診断と治療が確立していない腰痛に対しても、一人一人の患者さん毎に丁寧に診察、検査を行って、その患者さんにおける腰痛の「真の原因」を突き止めるべく全力を尽くします。
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