脊柱が原因の腰痛2
腰痛の原因はさまざまです。
その中でも、脊柱、背骨から発生する腰痛は原因を突き止めることが難しいといわれています。それでも、腰痛の原因を突き止めるために、医療関係者、科学者は頑張っています。
今回は、さまざまな研究結果を発信します。(腰痛 診療ガイドライン2019)
1.18歳以上の26,107人に対する研究。腰痛の有無と腰椎レントゲンの所見について。結果は、椎間板の高さが低くなっている場合は腰痛と強い関係がある。
2.50歳以上の腰痛ありの1,193人と腰痛なしの1,094人を比べた研究。MRIの所見を比べてみました。結果は、椎間板の膨隆、分離症、椎間板の脱出、椎体の変形、椎間板の突出、椎間板の変性などが、高い確率で腰痛のリスクとなります。
椎間板が老化して性質がかわると、異常な神経が椎間板にできてしまって、それが刺激となって腰痛が起こるといわれています。
3.腰痛は遺伝するのか?研究によってバラつきがありますが、0-67%という結果がでています。
4.イギリスでの研究。2,256人の双子の女性について腰痛の有無を調べた研究。双子で腰痛をもっているかどうかは、腰痛と遺伝の関係について重要です。一卵性では6倍のリスク、二卵性では2.2倍のリスクがあったという結果です。
5.痛みを感じるのは、脳です。慢性的な痛みによって、脳に変化が起こるかどうかを調べた研究があります。慢性腰痛の患者さん543人に、脳MRIを行いました。結果は、痛みの処理と情動に関係した脳に変化がありました。
6.線維筋痛症、慢性広範痛といった病気があります。これは、腰痛だけでなく、身体全体の色んな場所に痛みを認める病気です。精神的な症状が、痛みとなって表れてしまう病気です。何かケガをしたとか、身体にはっきりとした原因がないことが多いです。慢性的に腰痛をもっている患者さん647人を精げたところ、25.2%、4人に1人が慢性広範痛でした。特に、女性、精神症状、併存疾患が多い、痛みが強い傾向にあったそうです。
以上、腰痛に関係した、いろんな研究を紹介しました。
でも、まだわからないことがたくさんあるのが現状です。
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