理学療法、痛み対策
骨粗鬆症が原因となる痛みは2種類あります。
一つ目は、骨折による痛み(骨折そのものの痛み、骨折がいつまでも治らずに長引く痛み)です。
二つ目は、背骨が変形することで慢性的に続く痛みです。
物理療法は、温熱療法、光線療法、電気療法などがあります。これらは、経験的に骨粗鬆症の慢性的に続く痛みに有効だといわれています。ただし、医学的な研究によって証明された方法は少なく、効果あり、効果なしのどちらの結果もでています。
整骨は、慢性的な痛みに対して、有効だと証明された研究はありません。マッサージなど、施術してもらったときは気持ちいいけれど、すぐに痛みがぶり返すといった感想をお持ちの方が多いと思いますが、その通りです。効果が続きにくいというのが現状です。
痛み止めの薬を、痛い場所や、背骨の関節に打ち込むブロック注射(ペインクリニック、ブロック療法)という治療もあります。ブロックは急性の痛みには効果がありますが、慢性的に続く痛みには効果はないという研究結果が出ています。
骨折した背骨にセメントを注入する治療があります。セメント治療をしなかった場合と比べて、1-2年くらいは痛みの程度がマシになったという研究がありますが、全身麻酔が必要だったり、となりの背骨が折れやすくなったりといったこともいわれています。その他、背骨にネジを打ち込んで支える手術や、変形した背骨を削ってしまうといった手術もありますが、これらは、最終手段と言われています。
最も効果のある治療は、お薬で背骨を強くする、つまり骨粗鬆症の薬を長い目でみて使い続けることです。これは、医学研究でも証明されています。急性の痛み、慢性の痛み、両方に有効です。
でもやっぱり、骨粗鬆症を予防する、骨折しないようにすることが一番重要です。
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