骨粗鬆症の最大の合併症は骨折です。骨折が生じるきっかけは様々です。転倒した、重い荷物を持った、どしんと座ったなど。
骨粗鬆症の患者さんでは、もっと軽い動作で骨折を起こすこともあります。
直接的な関係はまだ明らかではありませんが、転倒は骨粗鬆症の患者さんにとってできるだけ避けるべき事柄です。
それでは、「転倒」しやすい要因はどういったものがあるでしょうか?
アメリカで約6万人の閉経女性を対象にして研究では、①過去1年間で転倒したことがある場合は、そうでない場合と比べて2.67倍も転倒のリスクがあるとの結論でした。次いで②80歳以上の方が1.53倍、③うつ病にかかったことがある方が1.43倍、④脳卒中を起こしたことのある方が1.39倍と報告しています。
転倒の予防はできるのでしょうか?
いくつかの可能性が提案されています。
まずは、ビタミンDの投与です。
これも臨床試験を行った結果、ビタミンDを内服していると内服していない方と比べて、2割も転倒のリスクが低下することが分かっています。また、筋力、起立したままの時間なども高くなります。
2番目には、やはり運動機能を高めることが挙げられますが、運動を含めて食事や環境の整備、その他を総合的に行うことで転倒のリスクが減少することが分かっています。
勿論、骨粗鬆症がないことの方が良いのは言うまでもありません。
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