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頚椎症性脊髄症の自然経過

重症例、進行例には手術が必要。軽症例が進行する頻度は高くないが、進行してしまうと予後不良となる。

軽症例とはどんな場合なのかは、はっきりしていない。

日整会頚椎症性脊髄症ガイドライン2020

頚椎症性脊髄症はほっておくとどうなっていくのか?これもたくさんの研究があります。

①重症例

1972年の研究ですが、91人の患者さんを最長20年ほど観察したところ、初診時に軽症であった場合は経過良好でしたが、重症であった場合は経過も不良でした。軽症、重症の違いなく手術治療などを行った患者さんも含めています。

つまり「軽症の内に手術治療を行いましょう!!という結論です。

1979年の研究では、54人の患者さんを1年以上11年まで観察したところ、軽症、中等症、重症で区別した場合、軽症では44%が改善し、中等症では改善は少なく逆に32%は進行しました。重症では、ほぼ全員改善はなかったとのことです。

ほっておいて、重症の場合は、ほぼ進行します。ですから、進行を止めるためにも手術治療がおすすめです。

②軽症例

軽症例をほっておくとどうなるのか・・・

2000年の研究ですが、29人の軽症患者さんを3年間のあいだ観察したところ、72%が経過良好でした。

2007年の研究では、56人の軽症患者さんを35ヵ月追跡した結果、進行したのは20%でした。

2012年の研究では、55人の軽症患者さんを79ヵ月様子観察したところ、4人に1人が悪くなったとのことです。

また、2012年の研究では、軽症の68人の患者さんでほっておく群と手術群とに分けた場合、3年後、10年後も経過は同じであったという報告もあります。

逆に、2013年に12年間をかけて行った研究で、13,461人という多数の患者さんの経過を追ったところ、166人の方が脊髄損傷を来したという結果がでて、しかも、ほとんどが手術をしなかった患者さんでした。

結論ですが、重症例では手術は絶対です。軽症例では「あくまでも予防が目的というお考えをお持ちの場合は、手術を受けていただくことに支障はないといえます。

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