静的圧迫因子
頚椎症性脊髄症は、脊髄に対して、背骨の老化変形によって骨の棘などが脊髄を圧迫するという要因と、背骨が日常生活上、動くことで脊髄にストレスをかけてしまうという要因が、同時にあわさって原因となるようです。
そのほか、脊髄へ血液を送る循環の要因、その他の要因が複雑に絡まって脊髄症が出現しているのです。
頚椎症性脊髄症の原因として、まず挙げられるのが、静的圧迫因子です。
これは、元々、患者さんの背骨の形が、とても関与しているということです。
背骨の真ん中に脊髄の通る隙間があります。これを脊柱管といいます。
脊柱管の直径、つまり脊髄の通り道の広さはアジア人で12.5mmくらいです。欧米人では16-18mmと大きくなります。
通り道が狭くなると、脊髄が窮屈になり、脊髄が圧迫を受け、その働きが悪くなります。
脊髄の通り道は、生まれつきの要因と、加齢現症が重なって狭くなります。
通常、脊柱管の直径が、12mm以下でなんらかの症状が出現し、10mm以下になると頚椎症性脊髄症を発症するといわれています。
実際の患者さんのデータでは、頚椎症性脊髄症の患者さんのうち、男性では14mm以下、女性では13mm以下であった確率は、79%と73%でした。
頚椎症性脊髄症は、アジア人で多くみられるのでしょう。
骨格が、脊髄の通り道が元々せまいので、ある意味、しかたがないのです。
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