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頚椎症性脊髄症の疫学

頚椎症性脊髄症は50歳以上の発症が多く、男性に多い。発生頻度は、治療が必要な患者数としては人口10万人あたり数人。

日整会頚椎症性脊髄症ガイドライン2020

①頚椎症性脊髄症の発症年齢

この病気が何歳で発症するのか?いろんな研究がおこなわれています。

「50歳代34%、40歳代25%、60歳代20%」という研究もあれば、「45-50歳が27.5%、50-55歳が15%、55-60歳が15%」という報告もあります。

②治療開始時の年齢、治療開始までの期間

つまり、症状が初めて出た時から患者さんが、どれだけの期間を我慢して治療を開始するのかというデータです。

お薬の治療は、58.9歳で開始することが多く、だいたい31ヵ月我慢しているみたいです。

負担がまだ少ない手術治療は、53.5歳で行うことが多く、27.2ヵ月我慢しています。

負担の大きい手術治療は、52.1歳で行うことが多く、23.1ヵ月我慢する傾向があります。

治療の負担が大きいということは、それだけ症状が重いか、進行が早いということです。

ところが我々のように、実際の手術を行っている医師からすると、2年以上も経過した時には、もう「脊髄に傷がついていることがほとんど」です。

傷がついてしまうと、もう遅いんです・・・

③性別

これは男性が多いです。いろんな研究がありますが、手術治療を行った患者さんの男女比は、1,016人の頚椎症性脊髄症のうち男性636人、女性380人でした。だいたい、男:女=6.5:3.5の比率です。

④発生頻度

症状のある患者さんは、大規模研究では人口10万人あたり1.6-1.04人くらいとされています。

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でも、でもですよ、国内の研究では、ある地域の住民959人全員をMRI撮影したところ、13.5%が脊柱管狭窄症であって、このうち、脊髄の圧迫は38.0%、脊髄に傷があるのは5.4%、自覚症状はないけれど脊髄の症状があるのは10.1%だったといわれています。

つまり結論をいいますと、自覚症状のない場合でも、人口の5%は脊柱管狭窄があるということなのです!!

自覚症状を我慢していて、その内我慢しきれなくなってから受診する患者さんは残念ながら元には戻らないことが多いのです。

症状が出る前に、脊髄に傷がつく前に、この100人のうちの5人の方には、病院で検査をうけていただきたいものです。

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