昨日、手術説明の際に気を失ってしまわれたご家族の患者さんを、本日手術いたしました。
胸椎レベルにできた、神経鞘腫という腫瘍でした。
この手術には、ハードルがいくつかあります。
一つ目です。今回の患者さんは第8胸椎レベルにできた腫瘍です。ここは、腫瘍のある場所を特定することがとても困難なのです。レントゲンを撮ろうとしても、肋骨が邪魔したり、棘突起が縦に細長く、頚椎や腰椎から距離がありますので、なかなか、どこを切開すればよいのか決めにくいのです。場所を間違ってしまうこともあります。
場所を決定する際には、ちょっとした工夫が必要です。大津脊椎脊髄センターでは、その工夫によって腫瘍の場所間違いは全くありません。
二つ目は、やはり、手術を行う場所が、深くて狭いことです。胸椎は肋骨に囲まれていますし、腫瘍に到達するまでに骨が分厚いことが多く、手術操作が困難となります。
術野を広く保つためには、ちょっとした工夫が必要です。大津脊椎脊髄センターでは、狭くて深い場所の腫瘍摘出でも、全く苦労せずに手術操作を行うことができます。
三つ目は、脊髄、その中でも胸髄はめちゃくちゃ細くって、ちょっとした刺激によっても障害を受けてしまうことです。ですから、腫瘍を摘出する場合には、脊髄を押しつけないように工夫しないといけません。
大津脊椎脊髄センターでは、脊髄を押し付けない工夫について知り尽くしています。これまで、同じような腫瘍摘出術でも、全く脊髄に障害を来すことなく全部摘出できています。
本日の患者さんも、県を越えて他県から大津脊椎脊髄センターへお越しになりました。
お元気にされています。良かったです。これからも、脊髄腫瘍の患者さんに笑顔を届けていきたいと思います。
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