手術だけが、痛みの治療ではありません。
患者さんが、納得できる毎日を過ごせるように、様々な手段で痛みに対応することが重要です。
痛みに対する治療には、薬物療法、神経ブロック療法、手術療法、理学療法、心理療法、漢方療法などがあります。
もっとも一般的には、薬物療法が基本となります。
薬物療法は、①鎮痛薬、②鎮痛補助薬、③その他に分類されます。
①鎮痛薬には、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)、オピオイド(医療用麻薬)、ステロイド性抗炎症薬
②鎮痛補助薬には、抗てんかん薬、抗うつ薬、抗不整脈薬、プロスタグランジン誘導体など
③その他には、漢方などとなります。
薬物療法は、作用の異なるいくつかのお薬を組み合わせて、患者さんに合わせた処方内容を模索します。
効果の程度、副反応などを十分検討して組み合わせます。

この図は、頚部脊柱管狭窄症のために、頚髄に傷がついてしまい、両手に強いしびれと、その”しびれがきれた”ような痛みが残ってしまった患者さんの手術前後の画像です。
左が手術前、右が手術後です。真ん中の灰色の線が、脊髄神経です。
脊髄は灰色一色ですが、図では、脊髄の中に白色の部分が見えます。これが傷です。
一旦傷がついてしまうと、もう治りません。これを慢性疼痛といいます。
そこで、薬物療法の出番となるのです。
薬物療法では、数種のお薬を組み合わせて使います。
これで、痛みの程度を弱くして、患者さんの日常生活を満足のいくものにします。これも、医者の技術です。
手術をうけたのに、痛みが消えないなどの悩みをお持ちの方。医療相談を受け付けます。下のコメント欄に内容を記入してください。時間の許す限り対応します。
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