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高額療養費制度

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額(※)が、ひと月(月の初め

から終わりまで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。

※入院時の食費負担や差額ベッド代等は含みません。

厚生労働省ホームページより

今日は、日曜日ですが、術後患者さんの回診を行いました。

 手術から8日目となり、手術創が治癒し、抜鈎(傷を止めていた金具を外す処置)を行うタイミングです。もちろん、経過は良好で、全抜鈎を行いました。以下は、その時のシーンです。

私「良かったですね。傷もきれいに治っています。」「明日、シャワーを浴びて、傷が問題なければ退院です。」

患者さん「それは良かった。有難うございます。」

私「退院後、2週間ほどしたら外来へ一度受診してください。その時に、CTとレントゲン、採血などを行います。」

患者さん「・・・」

私「どうか、しましたか?」

患者さん「・・先生、その検査を入院中にすることはできませんか?」

私「退院後の生活状況が適切だったのかどうかを知るための検査ですので、通常は外来で行うのですが・・」「何か不都合などがありますか?」

患者さん「・・いえ、入院中に検査しておけば、その費用は入院に伴う高額療養費にふくまれるから代金が節約できると思って・・」

私「確かに、そうですね・・」

確かに、その通りです。

年収156万~約370万円なら、ひと月にかかる医療費の上限は57,600円+α

年収約370万円~約770万円なら、ひと月にかかる医療費の上限は80,100円+α

年収約770万円~約1,160万円なら、ひと月にかかる医療費の上限は167,400円+α

年収約1,160万円~なら、ひと月にかかる医療費の上限は252,600円+α

 どれだけ高額な保険適応のある治療をうけても、それが手術であっても、大量の輸血療法、抗がん剤治療、集中治療室での高額医療、先端医療など、どんな治療であっても、限度額が決まっているのです。

 更に、患者さん一人でなく、世帯の医療費をすべて合算しても良いですし、1年間に3回以上、上限額に達する医療を受けた方は、4回目から更に減額されます。

 ほんと、日本はいい国です。皆で支えあう仕組みが手厚いです。税金はきちんと医療弱者へ再配分されています。

 その患者さんは、全身麻酔での頚椎手術を受けておられます。少なく見積もっても、入院費は200万円くらいでしょうか。3割負担として60万円の支払い義務があるわけですが、一般的な年収であれば支払いは8万円で済みます。

 CT検査などひととおり行うと、やはり数千円から数万円はかかります。ちょっと、検査の時期は早いですが、背に腹は代えられないということで退院日に検査を行うこととなりました。

 ただし、この制度・・弱点もあります。医療費の計算は、「月毎」なんです。ですから、月末に入院して、翌月も入院継続していたなら、月毎に支払い義務が生じるのです。患者さんの中には、月末の手術は拒否される方もいます。もちろん、急を要する手術の場合は、待っていられませんので月末であっても入院しますが。待てる手術なら月始めから中旬までに手術が集中します。

 この制度・・「入院してから30日間の医療費に対して」と変更すれば、このような問題は起こらないのですが。

何とかならないものでしょうか。

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