手足のしびれや痛み、腰痛、肩こりでお困りの全ての方へ

  1. 診療日誌
  2. 7 view

通常診療とCOVID-19

手術や入院の申し込み時、コロナ禍が及ぼす影響について。

 今日は、二人の患者さんの手術申し込みをしようとしました。

 一人目は、70歳女性で「脊髄腫瘍」のため、右足が全く動かず、左足もかろうじて上げ下げできる程度の方でした。できるだけ早く手術をということで来週中に行うように予定しました。

 付き添いの御家族が車いすを押して、手術前に行う心電図や採血などのいくつかの検査をおえ、麻酔科の診察を受けました。ご家族は20歳台後半と若く、社会活動も普通に行っている方です。実は、そのご家族は、4月下旬までコロナ感染症となり隔離生活を送っていたらしいです。5月に入っても、やはり社会活動は普通に行っていたそうです。

 ここが問題となりました。麻酔科から入院ストップの判断が下ったのです。「院内感染拡大防止の観点」から、手術を受ける予定の患者さんについては、ご本人だけでなく、そのご家族も、「入院前の最低2週間は、ヒトとヒトとの接触を極力避け、stay homeで」との指導が入ります。

 今回は、麻酔科から、ご家族について難色を示されました。患者さんご本人は、一人では動けず、自宅でもご家族の介助が必要です。つまり、コロナ感染のリスクが常に付きまとうのです。ワクチンもまだ射っていませんし、ご家族が通院、入院の送迎もしないといけません。

 結局、入院時PCR、その結果がでるまで入院後に隔離、陰性結果がでてやっと手術を受けることができます。通常診療をうけるためには、患者さんだけではないんですね。ご家族にも負荷がかかるんです。

 二人目は、70歳台後半の男性で「頚部脊柱管狭窄症」のために右腕が全く動かなくて、肩と手指に強い痛みを持った方です。できるだけ早期に入院をということで5月下旬の頚椎手術を予定しました。しかし、その方は、5月下旬にワクチンの1回目を受ける予約をしていました。つまり、入院中に接種予約日がやってきます。そして2回目は6月中旬以降です。

 この場合も、「院内感染拡大防止の観点」から、入院中にワクチンを射ちにいくことはできませんし、2回目ワクチン接種の後の2週間は入院できないとの規則があるのです。

 結局、貴重なワクチン接種の機会を優先するとのことで、この患者さんは6月下旬の手術延期となりました。それまで、痛みにはお薬で我慢していただき、動かない手については三角巾で吊って生活いただくしかありませんでした。

 コロナ禍は、直接的に医療逼迫、医療崩壊につながります。それだけでなく、間接的に通常診療の邪魔者になります。

 はやく、集団免疫が確立し、コロナが普通の風邪になってくれることを願うばかりです。

診療日誌の最近記事

  1. 4月からの手術を制限します。

  2. 彦根中央病院での第一手術例、大成功!!

  3. 大津市民病院 脳神経外科 一斉退職

  4. 大津市民病院 外科 一斉退職

  5. 彦根中央病院

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

  1. 彦根中央病院

    2022.02.13

PAGE TOP