手足のしびれや痛み、腰痛、肩こりでお困りの全ての方へ

  1. 診療日誌
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怒り

手術というものは、いいかげんな診察や検査、まともに診断されていない状況で行われるべきではありません。

手術というものは、医者や病院が、お金儲けを第一目的として行うものではありません。

脊椎脊髄外科診療の基本中の基本は、患者さんの訴え・症状をきっかけにして、適切な診察を行って診察所見を抽出し、必要十分な画像検査を加え画像所見を得ます。

そして、「訴え・症状」「診察所見」「画像所見」の3つが、矛盾なくたった一つの罹患神経・圧迫病変にたどり着いた場合に限り、その圧迫病変を最も低侵襲に取り除ける術式を選択し、患者さんやご家族にご理解いただきご希望されたうえで、やっと行うのが「手術治療」です。

また、日本国内にいて国民皆保険によって保険診療をうけることができる立場の方にとって、適切な医療費で現代の標準的な水準の治療をうけることは当然の権利です。

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昨日、私の外来に一人の女性患者さんがおみえになりました。

診察室に入って来られるなり、

「先生、誠に申し訳ございませんでした!」

そして、

「先生、助けてください!痛くて痛くてたまりません!」

と、言われます。

その患者さんは、私が昨年末から外来で担当している方でした。患者さんは足の強い痛みがありました。ただし、患者さんの「訴え・症状」に対して、私の「診察所見」とMRIなどの「画像所見」に合致する病変が明らかでなく、ほとんど「正常所見」なのでした。

そこで、私は、まずは体に傷をつけるような手術治療ではなく、内服治療をためし、それでも症状が継続するために、侵襲的な検査である「神経根ブロック」を提案していたところでした。

患者さんが、独自にお調べになって、私に相談いただくことなく、大津脊椎脊髄センターのある市町村のとなりの市にある個人病院を受診されました。

その個人病院では、受診日に、いきなり「明後日に特別室がたまたま空床となったので、すぐ手術しましょう」といわれたらしいです。

まともに診察するわけでもなく、あれよあれよと手術が決められ、その後は、個室料や入院費の説明を延々きかされたそうです。

そして、何と!

「特別室は差額個室料が一日4.8万円かかります。そして、最低3週間の入院となります」と一方的に言われました。

個室料だけで、100万円・・・

そして、さらに何と!

術後のレントゲン検査を見てみると、「全く正常な腰椎に対して、不必要に3か所も切られ、骨を削られて、意味のない人工骨をむりやり入れられている。そして、肝心の圧迫が疑われた腰椎は全く治療されていない」ことが判明しました。

患者さんは、もちろん痛みなどとれるはずもなく、精神的なダメージでもっと痛みが強くなって退院後もずっと寝込んでおられたとのことです。

さらに、その個人病院では3週間たった時に「まだ、症状が良くなっていないのでさらに1-2週間入院延長しましょう」と、差額の高い個室での入院延長を提案されたらしいです・・

もちろん、患者さんは逃げて帰ってきたらしいです。

こんなバカなことがあってはなりません!!!

同じ医療者として、恥ずかしく、情けなく感じ、憤りを覚えるに至りました。

その患者さんは、私の外来予約をキャンセルして、その個人病院を受診し、最悪の結果となってしまいました。それでも、痛みが強すぎて、藁をもすがる思いで、もう一度私の外来へお越しになったのです。

その時の、第一声が

「 先生、誠に申し訳ございませんでした! 」

だったのです。

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