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本日の手術・頭蓋頚椎後方固定術

環軸椎亜脱臼、その後の環椎前弓骨折を来した患者さんの手術を行いました。

環軸椎亜脱臼とは、頚椎の回旋運動の70-80%を占めている、第一頚椎(環椎)と第二頚椎(軸椎)の関節がぐらついて脱臼したり元に戻ったりしてしまっている状態をいいます。

環椎と軸椎は、お互いにゆるやかに靭帯でつながっていますが、これが緩むと環椎が軸椎に対して位置がずれてしまったり、ぐらついたりします。その結果、脊髄や延髄を強く強く圧迫してしまって、歩けなくなったり、手足全体が痺れたり、呼吸しにくくなったり、顔面に違和感を生じたりします。

本日の患者さんは、脱臼だけでなく環椎が骨折をきたしてしまって、骨が外側へずれた状態でした。骨折した環椎には、椎骨動脈という脳へ血液を送るためのとても重要な血管が通っています。

もしも、環椎の「ずれ」がおおきくなると、この血管が詰まってしまい突然死に至ります。

ですので、こういった場合は、環椎と軸椎をネジでつないでしまい動かないように固定する治療が行われます。

今回は、環椎が骨折してずれていまっているので、後頭骨という頭の骨と軸椎、そしていくつかの頚椎をネジでしっかりと固定しました。

この手術は、脊椎脊髄手術のなかでも、4本の指にはいるくらい難易度の高い手術です。

ちなみに、高難易度手術とは、①上位頚椎固定術、②脊髄髄内腫瘍摘出術、③脊髄動静脈奇形摘出術、④胸椎後縦靭帯骨化症手術の4つです。今回は①の手術がさらに複雑になったものです。

大津脊髄脊椎センターでは、上記の4つの手術全てに対応できます。

本日の患者さんも、大成功に終わっています。

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