今日は、脊髄空洞症に対して、北大式サッポロチューブを使用して、SSシャント術という手術を行いました。
脊髄空洞症とは、脊髄の中に髄液を主とした液体がどんどん溜まってしまう病気です。原因は、キアリ奇形という先天性の病気や、癒着性くも膜炎、脊椎側弯症、くも膜嚢胞などです。
脊髄空洞症になると、脊髄の働きが失われて行きます。脊髄の真ん中あたりに液体がパンパンに溜まってしまって、脊髄がうすうすになってしまって、神経として働けなくなって足の痺れや運動麻痺(足に力が入らない、動かない)、排尿排便障害(お漏らし、残尿、頻尿、勢いがなくなる)、筋肉の萎縮などが起こります。
長い間、空洞症が続くと、治療の効果がなくなることもあります。
治療としては、先ほど記載した原因を取り除くことです。ただし、原因を取り除いても空洞が小さくならなかったり、また原因が不明な場合もあります。
その場合は、脊髄に穴を開けて、細い小さなチューブを入れて、脊髄の中に溜まった液体を外に出す治療を行います。それがSSシャントという治療法です。大津脊椎脊髄センターの得意な手術法です。
この手術は、穴を開けても大丈夫な脊髄の場所を正確に見つけ出して、できるだけ小さく穴を開けて、脊髄が傷つかないようにチューブを挿入して、そのチューブを髪の毛よりも細い糸を使って脊髄の皮に結びつける必要があります。
これができるのは、やはり脳神経外科で顕微鏡手術の訓練を受けた術者に限ります。
大津脊椎脊髄センターでは、十分な経験と技量を持った脳神経外科医が在籍しており、とても優秀な成績を上げています。
単に、脳神経外科で顕微鏡治療の訓練を受けただけでなく、脊椎外科のノウハウも併せ持った医師が治療にあたります。
今日の患者さんも、手術中に脊髄の腫れが即座に取れて、神経モニターの値も1.5倍に良くなりました!
脊髄空洞症と診断され、治療に迷っておられる方。。。
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